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2006年 03月 05日
映画鑑賞記「クラッシュ」
鑑賞日:06.03.03 鑑賞場所:シネマイクスピアリ
人種のるつぼでもあるアメリカ社会。その複雑な関係は、時に憎悪や暴力にもなり、涙ものの感動の愛にもなったりもする。
この映画は、そんな社会の姿をいくつかの感動ストーリーを同時進行で描いている群像劇。映画鑑賞記「クラッシュ」_b0070020_0112850.jpg

第78回
アカデミー賞6部門ノミネート
(★印最優秀)
<★作品賞>
<助演男優賞>
・マット・ディロン
<監督賞>
・ポール・ハギス
<★オリジナル脚本賞>
<★編集賞>
<オリジナル主題歌賞>






<ストーリー>
ロサンゼルス、24時・・・・・、ハイウェイで起こった一件の自動車事故が、思いもよらない”衝突”の連鎖反応を生み出し、さまざまな人々の運命を狂わせて行く。
刑事、二人の自動車強盗、地方検事とその妻、TVディレクターとその妻、鍵屋とその娘、病院の受付嬢、雑貨屋の主人とその娘。 さまざまな階層の、さまざまな人種の彼らは、予想もしない角度で交錯しながら、愛を交わし、憎しみをぶつけ合い、悲しみの淵に立たされる。
<感想>
予告編を観て、ちょっと暗そうな映画だと思っていた。
前回観た「ホテル・ルワンダ」でのドン・チードルが出ていること、アカデミー賞にもノミネートされたこともあって、観る気になった。 観終わってみると、そんな予感は杞憂だったことがわかった。

冒頭のハイウェイでの事故。事故に巻き込まれながらも、事故現場近くで見つかった射殺死体に思わず目を見張る刑事(ドン・チードル)。その謎が解けるのは終盤になってからだった。
ストーリーにもあるように、さまざまな人間があちこちで遭遇し、絡み合い、ばらばらだった人間関係の線が次第につながってくる。
そして、偶然も重なり、はらはらしながらも感動の場面が繰り返される。
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白人至上主義の警官(マット・ディロン)が、黒人TVディレクターの夫婦を執拗に尋問した場面、その後の夫婦に大きな心の傷を負わせたはずだったが、偶然、交通事故で転覆した自動車に閉じ込められ、迫り来る炎の中、決死の救出を試みるあの警官。
最初は拒絶するも、死に直面した極限の状態での救出は差別という大きな溝を埋めるものであったのだろうか。
鍵屋の助言を聞き入れず、追い返したばかりに、雑貨店を泥棒にめちゃめちゃにされ、キレてしまったペルシャ雑貨店の店主。
鍵屋の居所を突き止めて、拳銃で鍵屋の男を脅すも、間に入った鍵屋の娘に発砲する店主。最悪の結果で「ヤバーい!」と思いきや、雑貨屋の娘が拳銃と一緒に買ったのは空砲の玉だった言う落ちがついていて、肩の力が抜けてしまった。
自動車強盗が失敗に終わり、別れ別れになった黒人青年。その一人がヒッチハイクで拾った自動車には、白人至上主義の警官に嫌気が差し、黒人に対してフェアな考え方を持つ非番の警官が乗っていた。 二人のドライブでは何事も無かったかのように思われたのだが、ちょっとしたことのいざこざで、黒人青年を射殺(ここが一番悲しかった)。
運命のいたずらか? この黒人青年こそが、刑事の弟だったとは。
時間が冒頭の場面に到達した後、彼らは、また普通の生活に戻っていく。
過去とはちょっとだけ違った思いを持って。

映画を観終わって、それぞれのエピソードが心に残っていた。
不思議な気持ちになった。

by dosanko0514 | 2006-03-05 00:14 | 映画は楽しい


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