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2006年 11月 09日
映画鑑賞記「トンマッコルへようこそ」
鑑賞日:06.11.5 鑑賞場所:シネマ・イクスピアリ16
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 同じ民族が北と南に分かれて激しい戦闘を行った朝鮮戦争。
無邪気で争うことを知らない平和で静かな小さな村にも忍び寄る戦争の影。
心のふるさと”トンマッコル”で癒された兵士たちは、奇跡を起こす。








<ストーリー> 
 朝鮮戦争が激しかった頃、戦争が起こっていることなど誰も知らない「トンマッコル」という村があった。
村人たちは、争うことを知らず、自給自足、みんな笑顔で暮らしていた。
そんな村にある日突然3組の客がやってきた。
空から落ちてきた背の高い青い目をした人。(米軍の戦闘機パイロットのスミス)
次は、言葉が通じるが見たことのない服(軍服)を着て頭に”たらい”のようなものをかぶった2人(韓国軍兵士のピョとサンサン)。
もう一組は3人(北朝鮮兵士のリ・スファンとチャン、ソ・テッキ)は、何故かたらい?をかぶっているお客ととても険悪な雰囲気を持っていた。
でも、村人にはどうして言葉も通じているのに怒鳴りあっているのかがさっぱり理解できなかった。映画鑑賞記「トンマッコルへようこそ」_b0070020_23291448.jpg
銃や手榴弾なんて見た事もない村人たちは、言われるがまま意味も分からずに、台の上に乗せれられる。
にらみあったまま、気がつけば一夜が明け、雨も降り出した。でも、村人の関心事は畑の荒らすイノシシの方だった。いつの間にか台から勝手に降りてしまった。
それでも、にらみ合いが続く兵士たちの間で、不思議な村の娘・ヨイルは兵士が持っている銀の指輪を見つけ、指につけた・・。その指輪は手榴弾のピンだった。
兵士は慌ててその手榴弾を手放したが、何故か爆発しない。 不発弾かも?と言って捨てた先は、食料の貯蔵庫。しかし、ここで大爆発が起きた。
爆発の後に、誰も見たことのない、白くて美しいポップコーンの雪が降ってきた。
爆発によって村の一年分の食料を失った罪滅ぼしに、兵士たちは農作業を手伝うようになったが、相変わらず敵同士の兵士たちは険悪な状態だった。
だが、しばらくして、ヤンチャ坊主のトングが巨大イノシシに追われる事件が発生。トングを助けようと兵士たちは団結。素晴らしい連携プレーでイノシシをしとめる。その夜、そのイノシシ料理を食べる兵士たち、もう、敵ではなくなっていた。
それからは、村人と一体となって農作業をしたり、アメフトをしたり、草ソリで遊んだりと和気藹々とした時間を過ごす毎日だった。
6人はこの村から離れがたい思いが募ってきたのとは裏腹に、村の平和が脅かされる事態が起きる。 収穫を祝う秋祭りが行われた夜、連合軍の落下傘部隊が舞い降りてきた。このままでは、兵士が殺される。村人も巻き添えになる。
その時、6人は思わぬ行動に出る。

<感想>
呉越同舟という言葉があるが、南北の兵士がまさしく同じように、トンマッコル村で暮らすことになる。
戦場だったら、どちらかが息絶えるまで激しい戦闘になっているであろうが、お互い、銃の引き金を引けない事情もあったようだ。
最初は、気が立って緊張しつづけていた兵士も、次第に村人の素朴な心に溶け込むようになり、最後は、村人を愛し、敵の兵士をも兄弟のように慕う間柄になってしまった。
そして、あろうことか、連合軍の爆撃機に銃撃を加えるという自滅的な行動に出てしまう兵士たち。 それも、あのトンマッコル村の村人を守ろうという純粋な愛情による行動。
B29から降り注ぐ爆弾が炸裂する中、主人公の南北兵士がお互いを見合って笑っているシーンが印象的だった。
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韓国映画は、まだそれほどの本数は観ていないが、これほど、ファンタジー性に富んだ作品は観たことがなかった。
特に、争うことの知らない村民の素朴な笑いが、観ているボクらをも癒してくれる。そして、戦場の緊張感から次第に村人に心を開く兵士たちの演技にも好感が持てたし、違和感は全くなかった。
特に、この映画のヒロインであるヨイルを演じるカン・ヘギョン(オールド・ボーイでは体当たり演技で驚いたが・・・)の純粋無垢な少女っぷりにも拍手。
彼女と若い兵士との淡い恋に涙した。
一点、難を言えば、戦闘機のシーンは、ちょっと安っぽかったかな。

by dosanko0514 | 2006-11-09 23:30 | 映画は楽しい


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