2008年 03月 02日
鑑賞日:08.03.01 鑑賞場所:シネプレックス幕張 ぼくは生きている。話せず、身体は動かせないが、確実に生きている。 実話に基づいた感動ロマン。 <ストーリー> (cinemacafeより引用) ジャン=ドミニク(マチュー・アマルリック)は目覚める。そこは病室。自分が脳梗塞で倒れ、運び込まれたことを徐々に思い出す。しかし、自分の言葉が通じない。その上身体全体も動かない。唯一、動くのは左眼のまぶただけになっていた。つい先日までは、人生を謳歌し、ELLEの編集者として活躍していたドミニク。看護師のサンドリーヌが彼の左まぶたが動くのに気づき、次第に彼の希望は明日へと向かっていく。そしてある日、編集者のクロードがやってきて、ドミニクに自伝を書くように勧める――。 <感想> 働き盛りの42歳のフランス人男性を襲った病。 昔だったら、存命は諦めなければならないほどの重症。脳幹がほぼ機能しなくなる「ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)」に陥った主人公、ジャン=ドミニク。 意識ははっきりしているのに、左目以外のあらゆる動きができなくなる状態というのは、想像しがたい。 しかし、映像はジャンの目を通して、われわれにその歯がゆい思いをダイレクトに伝える。 一度は絶望しかかったジャンだが、病院の職員の献身的な介護と言語療法士アンリエットが教えてくれた瞬きでコミュニケーションをとる方法で、生きる希望を見出していく。 たとえ潜水服を着ているような不自由な体であっても、蝶のように自由に羽ばたく記憶と想像力を使えることを支えとして、ついに、自伝を書こうと決意する。 映画は、その自伝の中に、父親、友達、恋人、妻と3人の子供たちとの溢れんばかりの愛情の思い出をちりばめていく。 映画の中で登場するジャンの姿はあまりにも可哀相だが、彼の強い意志がその目の瞬きに凝縮され、見ている者を圧倒する。 自伝「潜水服は蝶の夢を見る」の完成と出版を喜んだジャンだったが、そのわずか数日後、息を引き取る。がしかし、この本は、フランスで大ベストセラーとなっただけではなく、世界31カ国で出版された。 映画は、さすが、「愛情の国」フランスらしく、自由奔放な愛をも描き出していたのが面白かった。 人間とは、かくも強いものだと再認識させられる作品だった。 惜しくもアカデミー賞最優秀監督賞を逃した、ジュリアン・シュナベール監督に賛辞を送りたい。
by dosanko0514
| 2008-03-02 10:41
| 映画は楽しい
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