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2007年 04月 21日
映画鑑賞記「ブラッド・ダイアモンド」
鑑賞日:07.04.20 鑑賞場所:シネマイクスピアリ

 給料の3ヶ月分・・・そう婚約指輪の定番「ダイアモンド」。
そのダイアモンドが彼女の薬指にはめられる前には、いくつものヤミの部分があった。
産出国のほとんどがアフリカ大陸。そのダイアモンドを巡って、多くの血が流され、家族が引き離されている現実を、みんな知っているだろうか?

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<ストーリー> 
1990年代、内戦渦中のアフリカ、シエラレオネ。メンデ族のソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は愛する家族とともにつつましいながらも満ち足りた生活を送っていた。しかし突然、反政府軍・RUFの襲撃を受け、ソロモンは家族と引き離される。RUFの資金源となっているダイヤモンドの採掘場で労働を強いられるソロモンは、ある日驚くほど大粒のピンク・ダイヤを発見。このダイヤがあれば、家族を救い出すことができる――。映画鑑賞記「ブラッド・ダイアモンド」_b0070020_2251480.jpg彼は危険を覚悟で監視の目をかいくぐり、ピンク・ダイヤを誰にも知られない場所に隠した。一方で、そのダイヤの密輸を生業にしている男、ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)。ある時密輸に失敗したダニーは、投獄された刑務所で思わぬ話を耳にする。とてつもない価値を持つピンク・ダイヤがどこかに隠されているらしい。そして、その場所を知っているのは、ソロモン・バンディーという男。ほどなく釈放されたダニーは、RUFの資金源となっている“ブラッド・ダイヤモンド”の真相を追っているというアメリカ人ジャーナリスト、マディー(ジェニファー・コネリー)と出会う。ダニーは、家族探しを手伝う代わりにダイヤを埋めた場所へ案内するようソロモンに持ちかけ、マディーには、情報の提供と引き換えに、ジャーナリストの立場を使ってソロモンの家族を探してくれるよう依頼する。ソロモンは覚悟を決め、ダニーの申し出を受け入れた。それぞれの思いや希望を抱えながら、一つのダイヤを求めて反乱軍が支配する地域に入っていく3人。ダイヤが約束する未来を手に入れるのは誰なのか――?


<感想>
 昨年から、アフリカを舞台にした映画をよく観ている。
「ホテル・ルワンダ」、「ナイロビの蜂」。どれも、アフリカの土地での血生臭い争いが舞台であった。そして、この映画でも、内戦が取り上げられていた。
最近、銃による悲惨な事件が多発しているので、映画の中で銃で倒れていく人を見ていると、目を伏せたくなる気分になった。
なぜ、簡単に人を撃ってしまえるのだろう。
この題名にもあるようにダイアモンドには、多くの人の血が流されてしまうものらしい。
特に産出国の政情が不安定になっているとなおさらのこと。
なにしろ、小指の爪より小さいダイアモンドでも大金に化けるわけで、戦争に使う武器を購入する資金が欲しい武装勢力は、どうしてもダイアモンドが採れる土地を占領したいわけである。
そういう中で暗躍するのが、そういう血塗られたダイアモンドを密輸する人間。映画の中でも遊牧民を装ってヤギの背中にダイアモンドを埋めていたっけ。
密輸されたダイアモンドはいつのまにか、正規な市場に流れ、シンジケートを通じて、販売店のショーケースに収まるわけである。

 この映画も戦闘シーンはリアルで、最近、戦争映画の観すぎなのか、体が拒否反応しそうな気配もある。 しばらくは、控えたほうがよいかな?
映画鑑賞記「ブラッド・ダイアモンド」_b0070020_225423.jpg ディカプリオ演じるアーチャーは、小さいときに両親を殺され、傭兵として成長し、ついにはダイアの密輸に手を染めている決して善良な人間ではないのだが、女性記者に身の上話をしているうちに涙するところでは、まだ人間としての温かいものは持っているように感じたし、ソロモンの家族を思う気持ちに心揺さぶられ、最後は彼らを助けるために自分の命をも顧みない行動に出ていたな。
 サイモン役のジャイモン・フンスー、ボクがこの映画で一番輝いていた俳優だと思った。鍛え上げた肉体も素晴らしかったが、家族と離れ離れになる辛さがよく伝わったし、息子を奪った憎しみから、反政府勢力のボスを殺すときの鬼気迫る表情が印象に残った。
最後に、アフリカの人たちの貧しくても一生懸命生きようとする生活感と対照的に、無表情なままダイアモンドを保管しているキャビネットを行き来するヨーロッパのダイアモンド・シンジケート社員たちの冷たい雰囲気が、我々に何を語っているのか? それほどにそんな輝きが欲しいのだろうか?

by dosanko0514 | 2007-04-21 22:06 | 映画は楽しい


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