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2007年 09月 02日
映画鑑賞記「シッコ(SiCKO)」
鑑賞日:07.09.01 鑑賞場所:シネマ・イクスピアリ

テロより怖い、医療問題。
アポ無し突撃取材がお得意のムーア監督、今度はアメリカ医療業界にメスを入れる。
ムーア先生、急患です。
これは、フィクションではない!
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<ストーリー> (シネマカフェより引用)
 お騒がせ男マイケル・ムーアがついに「医療問題」にメスを入れた! 医療の最前線に介入する保険会社の怪。9.11の英雄よりも手厚い治療を施されるアルカイーダの捕虜たち。そして医療をテーマにするにあたり、ムーア自身が大減量。米国内医療業界の大手各社は突撃取材に厳戒体制を敷き、すでに“ムーア対策マニュアル”の存在のうわさも。『ボウリング・フォー・コロンバイン』、『華氏911』に続く体当たりドキュメンタリー作品。

<感想>
 冒頭、左ひざに大きな切り傷がある青年が、自分で傷口を縫合している映像で度肝を抜かれる。彼は、高額な医療費が払えないために、このようなことをしているのだった。
アメリカは先進国では唯一、国が医療保険を管理していない国。したがって国民は民間の医療保険会社に保険料を払わなければならない。現在、6分の1の国民が無保険であり、毎年、1万8千人が治療を受けられずに死んでいくそうだ。

だが、この映画は無保険をターゲットにしているのではなかった。
もっと驚愕すべき事実だったのは、アメリカの医療保険制度だった。
映画鑑賞記「シッコ(SiCKO)」_b0070020_11304032.jpg大半の保険会社はHMO(健康維持機構)という制度の上に成り立っている。このHMOがとんでもない制度で、医師は、「治療が不必要」と判断して減らした治療費に応じて保険会社から報償金を得られるシステムになっているから、患者は下手をすると、十分な治療を受けられなくて死に至らしめられる危険性がある。
さらに、保険会社は、被保険者との契約に不備を見つけては、患者からの保険支払いを拒否しようとしている。内部告発者の涙の訴えが印象的。
これも、株主のための利益追求という「至極当たり前」の資本主義の行為なのだが、ムーア監督は、医療にこの論理を持ち込むべきではないと主張する。
人の命を、利潤追求の対象にするなんて、やっぱりアメリカは「SiCKO(ビョーキ)」なんだろうな。

映画鑑賞記「シッコ(SiCKO)」_b0070020_1131056.jpgムーア監督らしく、こういった鋭いメッセージを、ちょっとユーモラスに描くあたりは、さすがだ。

お隣の国カナダは医療費がほとんどかからないし、イギリスもフランスも保険がしっかりしているので安心して病院に行ける。フランスなんて、往診までタダだよ!
9.11で活躍し、その後遺症で苦しむ消防隊員が、仮想敵国キューバの病院を訪れて、あまりにアメリカと違う医療システムに涙を流す場面には、こちらまで泣けてきた。

映画鑑賞記「シッコ(SiCKO)」_b0070020_11311658.jpgこの映画がきっかけで大統領選挙でも「国民皆保険」の公約が出てきたらしいが、今のままでは、恐ろしくてアメリカに行けない。
日本の医療保険は一応、強制加入だが、将来的にはどうなるかわからない。アメリカみたいになるのだけはまっぴらだ。

<おまけ>
 アメリカ医療問題は映画の公式HPに詳しく載っている

by dosanko0514 | 2007-09-02 11:35 | 映画は楽しい


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