2008年 03月 29日
映画鑑賞記「明日への遺言」
鑑賞日:08.03.24 鑑賞場所:シネマイクスピアリ

愛する人へ、
遺したいものがある

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<ストーリー> (cinemacafeより引用)
b0070020_95346.jpg 太平洋戦争末期、無差別爆撃を実行した米軍機の搭乗員を処刑した責任を問われ、B級戦犯として戦争裁判にかけられた岡田資(たすく)中将(藤田まこと)。傍聴席から妻・温子(富司純子)や家族が見守る中、彼はひとり“法戦”に挑んだ。部下を守るため全責任を負った岡田中将の潔い姿は、次第に法廷内にいる全ての人の心を動かしていく。そして、判決が下る――。戦勝国アメリカとの法廷戦争に、最後まで誇り高く立ち向かった岡田資中将と家族の絆を描いた真実の物語。

<感想>
 冒頭は、第二次世界大戦前の映像だった。無差別爆撃を禁止する国際条約があったにもかかわらず、第二次世界大戦が始まると戦争当事国は無差別爆撃を躊躇しなくなった。
戦略爆撃機B29を有するアメリカもまた、昭和20年に入るとそれまでの軍需工場へのピンポイント爆撃から、人口密集地への焼夷弾によるじゅうたん爆撃に方針転換を図った。その結果、東京や名古屋は焼け野原となり、多くの老人や婦女子がその犠牲となった。その時の映像が流されるとそれは、とても直視できないくらい衝撃的なものだった。
 日本が無条件降伏し、アメリカ主導の戦勝国による日本軍への裁判は、近代歴史でも有名な出来事である。 特に東京裁判は、多くのA級戦犯が厳しく裁かれ死刑となった者も多かった。
そして、この映画ではB級戦犯の岡田中将に対する裁判の模様が克明に描かれている。
アメリカからやってきた裁判官、検事、そして弁護人。そんな裁判の中で、岡田中将は、日本刀で米軍機搭乗員を斬首した部下たちの減刑を第一に考え、真っ向から検事、裁判官に立ち向かったのだった。唯一、裁判で抗弁できる事実、それは軍需工場のない住宅地一体を焼き尽くすほどの焼夷弾を落とした無差別爆撃が違法な行為であるから、その処罰としての処刑は正当なものだ・・ということだった。
b0070020_9532037.jpg 映画の大部分が横浜の裁判所の法廷でのやりとりであったが、検事や弁護人からの質問や指摘にも動揺を一つも見せずに一つの信念に基づいて自分の意見を述べる岡田中将の姿が印象的であった。そんな中、厳しい裁判が続く法廷の空気を和ませていたのは、岡田中将の妻や二人の子(もう結婚する年齢であったが)との無言の微笑み返し、そして、初孫を抱いて喜ぶ岡田中将や弁護人の姿であった。そんな人間として敵側からも尊敬のまなざしを浴びるようになっていった岡田中将ではあったが、自らの命を捧げても信念を貫く姿勢を最期まで見せていたのが、戦争を知らないボクには衝撃でもあった。
 戦争の罪を裁くのは、実に難しい。お互いが武器で相手を傷つけたのだから・・・。
死は一瞬だけれど、それを審理し裁くための時間をどれだけ要すればよいのか?
今も世界中で、多くの非戦闘員が戦いに巻き込まれて命を落としている。
このような悲しい裁判が無くなる世の中はいつくるのだろうか?

小泉監督も、岡田中将の生き方、施し方に感動しつつ、戦争の傷の大きさを観ている人に伝えたいと思ったに違いない。

<オマケ>
弁護人役のロバート・レッサー氏、ちょっとアメリカ大統領に似ていた(笑)
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by dosanko0514 | 2008-03-29 09:53 | 映画は楽しい | Comments(0)


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